プロダクトはどんなデータを追跡すべきか

Category: MarTech

GA4GTMCDPAARRR
5 min read

もしあなたが経営者で、手元にひとつのソフトウェアがあるとしたら、ユーザーのどんな行動が気になりますか?どのページがどう使われているかも気になるはずです。

先に進む前に、次の例について考えてみてください。

  • EC サイト
  • フードデリバリー
  • 動画・音楽ストリーミング
  • オンライン旅行・チケット予約

データを追跡すべきなのは誰か

手元のソフトウェアが練習用のプロジェクトや、ちょっとした発信用のブログ、機能がシンプルな小さなツールなら、利用者数以外に複雑なデータを追跡する必要はあまりないでしょう。

プロダクトの改善、フローの最適化、コスト管理、顧客層の拡大のために、次のような特徴があるプロダクトでは、ユーザーの行動データを追跡・分析する必要が出てきます。

  • 成長・拡大のニーズ(あるいはプレッシャー)がある
  • ある程度の規模があり、コア機能が安定していて、ユーザーも多い
  • ユーザーのフィードバックを人手で集めるのが現実的でなく、自動化に頼っている
  • 広告を出していて、その効果を分析・定量化したい

ツールの選び方

トラフィック・行動分析

  • Google Analytics 4(GA4)
  • Meta Pixel
  • Mixpanel / Amplitude

タグ管理

GA や Meta Pixel のコードをプロジェクトに直接書き込んでしまうと、マーケティング側が計測ツールを変えたくなるたびに、エンジニアがコードを修正し、ビルドして、デプロイし直すことになります。

Google Tag Manager を使えば、サイトにコードを一度入れるだけで済みます。そのあと GA や Meta Pixel、その他の計測タグを追加したいときは、GTM の管理画面からビジュアルに設定できます。

カスタマーデータプラットフォーム

会社の規模が大きくなると、マーケティングは LINE を配信したり GA を見たり、カスタマーサポートは対応履歴を見たりと、データがあちこちのシステムに散らばっていきます。ここで必要になるのが Customer Data Platform です。

CDP でできること

  • データ収集:サイト上の行動、バックエンドのデータ、外部ツールとのやり取り
  • ID 解決:同じユーザーを識別する
  • 配信:データをカスタマーサポート、マーケティング、GA などの分析ツールに送る

フロントエンドのテストって実際どうやるのでも触れたように、データ計測は「とりあえず取っておく」ために使い道のない情報を大量に集めることではありません。問われているのは、PM やデータアナリストがどれだけプロダクトを理解しているかです。ビジネスロジックやプロダクトの利用フローから出発してはじめて、マーケティングの目標と戦略が決まり、計測の設計やどの行動を追跡すべきかが見えてきます。

AARRR

AARRR は Dave McClure が 2007 年に提唱したフレームワークです。ユーザーがプロダクトを知ってから収益を生むまでの過程を「ファネル」の形で 5 つの段階に分け、それぞれの段階に追跡すべきデータが対応しています。

AARRR
AARRR
段階答えたい問いよく使う指標エンジニアリング
Acquisition 獲得ユーザーはどこから来たか流入元、チャネル別の顧客獲得コスト(CAC)、広告のクリック率SEO / SEM
Activation 活性化初回利用で価値を感じたか登録完了率、オンボーディング完了率、コアアクションを初めて完了したユーザーの割合ランディングページの設計と A/B テスト、チュートリアル、登録フロー
Retention 継続また戻ってくるか翌日/7 日/30 日継続率、DAU / MAUライフサイクル/ステータス/イベントベースのメール、Web Push 通知、オフラインキャッシュ
Revenue 収益お金を払ったか有料転換率、平均注文単価(AOV)、ユーザーあたり平均収益(ARPU)、顧客生涯価値(LTV)決済連携、購入フローの最適化、料金・プランページ
Referral 紹介他の人に勧めるかシェア数、招待コードの利用数、バイラル係数(K-factor)シェア機能(Web Share API、OG タグ)、招待コードと紹介特典の仕組み、ディープリンク

5 つの段階を EC サイトに当てはめると、計測すべきイベントが洗い出せます。

段階追跡する行動イベント例
獲得どの広告・どの検索キーワードから来たかUTM パラメータ、page_view
活性化会員登録、初めて商品をカートに入れるsign_up、add_to_cart
継続しばらくして再訪する、再購入する再訪率、リピート率
収益購入フローの各ステップでの離脱begin_checkout、purchase
紹介商品をシェアする、招待コードを使うshare

いちばん漏れている段階を見つける

5 つの段階はファネルのようなもので、下の段階に進むたびにユーザーが一部離脱していきます。離脱がいちばん多い段階から優先的に手を打ちましょう。

一般的には、まず Activation と Retention を固めてから Acquisition にお金をかけます。ユーザーを引き留められないプロダクトにいくら広告を出しても、穴の空いたバケツに水を注ぐようなものです。

Reference